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【機会】乗馬3日目に、鎖骨を骨折

2009年08月19日 (水) | カテゴリ:'09モンゴルの旅-地球探検隊


乗馬3日目。
鎖骨を骨折したのだ。

折り返し地点の河原に到着する直前、落馬をした。

落馬は、何人かしていたが、
俺は、ギャロップ中に落馬をしてしまった。

一瞬の出来事だった。
ガクッと衝撃を受けた瞬間、目の前に地面があった。
右肩から、思い切り、叩き付けられて、一回転した。

「てらっち、落馬」の情報が伝わり、
前を行っていたみんなも一旦、ストップ。

俺の馬、ロンゲは、走り出し、先頭集団の群れに合流する。
俺は起き上がった。

右肩を回した。動く。
何度か回した。

相当、痛かったが、肩が回るので、
この時も、折れていないと思った。

しかし、これも帰国後のレントゲンでわかったのだが、
右側の鎖骨を骨折していたのだ。


どのようにして、落馬が起きたのか。

ギャロップで、何人かで草原を疾走していた。
そのギャロップ中に、野うさぎか何かの巣穴に、
ロンゲの右前足がはまったのだ。

ロンゲが、そのままバランスを崩して、転倒したのだ。
当然、馬上の俺も、そのまま右斜め前から地面に
叩き付けられることになった。


これは、避けられたことか。
避けられたかもしれない。

前日の指の骨折もあり、
基本的に、ゆっくり歩いている時も、ギャロップ中も
左手で手綱を握り、右手は、鞭を持ちながら、
空中でバランスを取るような乗り方をしていた。

3本の指で手綱を握ろうとしても、しっかり握ろうとすると、
握れないことはないが、薬指や小指も一緒に動いてしまうし、
少し痛いのだ。

だから、2日目も、ほぼ片手で手綱を握って乗馬をしていた。
鞭をバシバシと打っていたら、強く握っていたみたいで、
薬指や小指の傷口から、出血をしていたが。
それでも、怪我した右手は、手綱を握るよりは、
痛くなかった。

3日目も、片手で。そうやってギャロップをしていた。
だからこそ、馬ごと転倒した時、なおさら、
身体を支えることができなくて、右側から一気に落ちたのだろう。


指を骨折していなかったら、または手綱を両手で握っていたら、
骨折しなかったかもしれない。

それに、そういう乗り方の方が、
ちょっと乗り馴れてる感があって、
気に入っていた部分もある。

そんな風に調子に乗っていなければ、
無事だったかもしれない。

乗馬初心者が、片手でギャロップをするなんて、
調子に乗らずに、ゆっくりと乗馬を楽しんでいたら、
そもそも、こんなことにはならなかったのかもしれない。

後から、考えれば、いくらでも、折れなかったかもの
理由は出てくるが、別にそんなことは思っていない。

もちろん、技術や過信という部分は、ちゃんと受け止めている。


だが、むしろ、今もこう思う。

顔や頭から落ちて、
命に関わるよな怪我にならなくてよかった。

両手で手綱を持っていたら、
頭から落ちていたかもしれない。

手をついていたら、
手を複雑骨折していたかもしれない。

落馬したところに、岩などがなくてよかった。
死んでいたかもしれない。

馬が骨折しなくてよかった。

他の仲間が、ギャロップ中に落馬しなくてよかった。


もちろん、落ちた直後は、
そんなことを考える余裕もなかったし、
理由や原因追及は、どうでもよかった。
ロンゲが無事だったのは、嬉しかったが。

大丈夫かと思い、再び、ロンゲに乗り、移動する。
背負っているリュックが肩にあたると、
わりと痛い。それが、どんどん痛くなってくる。
馬の走りが、ウォークからトロットになるだけで、
やばいと感じる痛みになる。

なぜ、この時も、骨折していないと疑わなかったのかは、
自分でも不思議だが、半端じゃない、打撲だとは思った。

馬上での揺れに、不安や危険を感じる痛みだったからだ。
ただ、運が良かったのか、10分もしない内に、
お昼ご飯を食べる河原に到着して、休憩することになった。


この河原では、肩の痛みと、この後の乗馬について、
自分と向き合う時間となった。

料理作りを見ている間も、みんなが河原で遊んでいる間も、
常に向き合っていた。

羊が屠殺されるのを見ながら、痛みがあるって生きていることだって、
そんな感情が、溢れるように湧いてきたりもした。

みんなが河原で遊んでいる時、芝の上で大の字になって、寝ていた。
河で泳げる状態じゃないと思ったし、

とにかく、休んでいながら、
痛みが引くのか、そのままかを見ようと思った。

気持ちが落ち込みそうにもなったが、
結局は、大丈夫だった。

ダメなら、隊長やサラに言えばいい。
他の人が経験できない何かが待っているかもしれない。

河の水で濡らしたタオルを肩にあてながら、
芝生で寝転がり、自然の空気を、自然の音を感じている時間も、
なんだか、気持ちいい。

後は、
「神様、どうか最高の旅を、続けられますように」
と、祈った。

どうにもならないことや、先のわからないことで、
不安や考えすぎるよりも、全然いい。

どうにもならないことを、神様に任せる。
これが、どんなにシンプルで自然で、楽なことか。

ちょっとスピリチュアルな表現だが、
それは、そう、旅の一週間ほど前に、
心の底から感じた体験だった。

だから、自然と、そう委ねられたのだ。


一眠りし、料理を食べはじめた。
だけど、肩の痛みは、引かなかった。
その場で軽くジャンプするだけでも、痛みが走る。

諦めて、隊長とサラに相談した。
そして、ひとり残り、迎えに来てくれる
車に乗って、キャンプ場に帰ることとなった。

だけど、だからこそ、できた体験があった。


乗馬最終日の朝、やはり痛みは引かなかった。
右肩が、北斗の拳のケンシロウのように、
こんもりと腫れている。


これは、乗馬は無理と思い、朝食後、
隊長とサラに伝えた。
残念だが、ベストな選択だと思った。
実際には、骨折していたので、乗らなくてよかったが。

俺とずっと乗っていたロンゲは、どうなるのか、気になった。
特に何も言わなかったが、気づいたら、ヒトミがロンゲに乗っていた。

最終日は、乗る馬が代わっている仲間が何人かいた。
理由があるのか、適当なのか、わからないが、
とにかく、ロンゲにはヒトミが乗ってくれていた。

なんか嬉しかったな。ロンゲの勇姿をケータイで撮影。
ロンゲに、ヒトミをよろしくと伝えて、みんなを見送った。


こうして、ひとりツーリストキャンプ場に残った。

キャンプ場の外を散歩して、
草原に寝転がって、寝たり、本を読んだり、
ゆっくり大自然の景色を堪能した。

これもまた、今回のことがなかったら、
体験できなかった時間だろう。

小高い丘の上で寝そべって、景色を眺めていると、
思ったよりも早く感じたが、
みんなが戻ってきたのが観えたので、
みんなと合流した。

みんなが帰ってきたのが気づかなかったら、
現地ガイドとのお別れも、
最後の記念撮影もできなかったかもしれない。

こういうところって、ホント、よくできているなぁ。


ダメだった理由を 探すんじゃなくて

その中にある 意味や幸せに 心をくばろう


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 寺田 直樹(てらだ なおき)
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