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【乗馬】ヘルメット軍団を襲撃するピンク野郎

2009年08月19日 (水) | カテゴリ:'09モンゴルの旅-地球探検隊

レースでの大疾走に感動した後は、
道も細くなったり、砂利道になったりしたので、
少しのんびりと乗馬をしていた。
たくさん走ってくれた、
ロンゲも休ませたかったので、ちょうどよかった。


数十分後、再び、道路沿いの広い草原に出た。

集団の左端の方を歩いていた、現地ガイドのサラが
「チョッ、チョッ」と掛け声を掛け、トロットで駆け出す。

サラの近くにいたので、ロンゲに鞭を軽く一発入れて、
サラの馬についていく。

サラの馬の走りが、トロットからキャンターに変わった。
それについていく、俺とロンゲ。

また、集団から少し抜け出す感じで、2頭で前に出た。
また、「走るタイミングが来た!」と感じた。

味をしめてしまった俺は、
サラの馬を追走するロンゲに鞭を入れ、
「チョーー!」と掛け声を掛けると、
走りがギャロップに変わり、サラの馬を追いかける。
サラの走りもギャロップに変わり、
2頭で一気に走り出した。


その時、左前方数十メートルのところに、
乗馬をしている他のツアー団体がいた。



乗馬前、午前中のキャンプ場で目撃した、そのツアー団体の一部。

別の日本人ツアー団体だ。
ヘルメットをかぶって、膝サポーターをして、
一列に並んで、常歩でゆっくりと乗馬している。

ほとんどのツアーの乗馬は、安全のため、
そういう乗り方をしているツアーのようだ。

だけど、求めているのは、そんな旅じゃない。
そんな大草原での乗馬じゃない。

チョーチョー言いながら、鞭を振って、
大自然の中を、ギャロップで疾走する。
風になって、人馬一体になって、地球を駆抜ける。

俺がしたいのは、そんな旅だ!

そして、今がまさにその時。
テンションがさらにあがり、
そんなツアー団体を横目に、
ギャロップで走り去ろうと思った瞬間、
ロンゲの軌道が変わった。

サラの馬が、まっすぐ走っているのに対して、
ロンゲが、ツアー団体の馬群に、
どんどん近づくように左斜めに走り出す。

もともと、他の馬と一緒に走りたがるロンゲ。
手綱の右側を引いて、軌道修正しようとするが、
ロンゲは、左斜め、ツアー集団に近づくように走っていく。

「やばいっ。そっちへ行くな。」

そう思ったが、手綱では、軌道修正できなかった。


掛け声を止め、鞭を振らずに、ロンゲの挙動に集中した。

その時、感覚的に大丈夫だと思った。
ロンゲは、混乱して、馬群に突っ込もうとしているのではなく、
馬群の近くに行きたいだけなのが、感じ取れた。

実際、ツアー集団にかなり近づいてしまったが、
真横をしっかりと走り抜けるロンゲ。

ツアー集団の先頭の馬も抜き去り、
右前方には、まっすぐギャロップして走るサラの馬。
後ろをチラッと振り返ると、ツアー集団の馬も暴れたり、
列を乱したりしていないことが確認できた。

「よし、後ろも大丈夫だ!」

そして、

「サラに追いつく!」

そして、鞭を2度、3度と振り回し、
馬に走るぞ、走るぞとサインを送り、
「チョォォーーー!!!」という掛け声と共に、
二発、三発と鞭を入れ、サラの馬を追いかける。

危機を脱し、視界が開け、
サラの馬を追走して、2頭でギャロップ。

これもまた、気持ちのよい思い出だった。


ただ、その一部始終を、
後ろから全て見ていた、他のメンバーには、
忘れられない光景だったようだ。

「ヘルメット軍団の目の前を、チョーチョー叫びながら、
走り去るてらっちの姿は一生忘れられない。」
と、旅の後でも言われる。

確かに、まず、いないだろう。

安全のためにヘルメットやサポーターをして、
一列に並んでゆっくり乗馬しているツアー団体に突っ込んでいき、
真横をギャロップで抜き去って、
その目の前で、骨折した指から血を滲ませながら、
鞭をぶん回して、鞭を入れ、
チョーチョー叫び、走り去っていく奴。


ツアーの馬達が驚いたり、
釣られて走り出したりする可能性があるから、
もちろん、やっちゃだめ!

当然、そんなつもりは何一つなかったし、
あの状況で、一番回避できるように乗馬して、
遠ざかったつもりだったんだけど、
その一部始終は、忘れられない光景に見えたのだろう。


後で、
「あのピンク野郎だ!ってツアー団体の人達に言われるよ。」とか、
「あの無茶な軍団が、地球探検隊ってやつらだ、って噂が広まる。」とか、
「地球探検隊。日本人ツアー団体を襲う!ってニュースになる。」とか、
まあ、笑い話なんだけど、色んな妄想のネタになってしまった。

その団体とは、ツーリストキャンプ場が一緒だったようで、
現地ガイドのサラが、その団体のガイドとも話しをしていた。
後から、サラに聞いた話しだが、別に怒ったりはしていなくて、
トラブルもなくて、「すごいですねー」って感じだったらしい。

その団体のツアーガイドからしてみれば、
「あぶねーだろ、近づくんじゃねぇ、あのピンクのパーカー野郎め。」
って思われても、おかしくなかったんだよね。

笑い話でもあり、危なかった話しでもある。
そして、忘れられない思い出でもある。

でも、もし、そのツアー団体の人達にとって、
ちょっとでも、あんな風に、大草原を走りたい、
なんて気持ちが芽生えてくれたのなら、
嬉しいんだけど、どうだったんだろう。



ツアー団体を襲撃するピンク野郎と仲間たち、作戦会議中(嘘です)


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 寺田 直樹(てらだ なおき)
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